第8回目の〝坂田文庫だより〟では、「八代・坂田家資料」の中身を少し覗いてみましょう。(文中敬称略)
「八代・坂田家資料」の内訳
坂田家に残されてきた資料については、大まかに9つの資料類に分類することができます。内容や分野からしてさまざまな面に及んでいます。資料の数ももの凄く膨大です。
①「文書類」(もんじょるい)
江戸時代後期の村庄屋や村役人などを務めていた頃の古文書(こもんじょ)や古記録(こきろく)、明治時代以降の大地主時代の土地管理関係の証書類など。水濡れによる カビ発生や虫喰いによる破損などのものも多数ある。
②「図類」(ずるい)
八代海の新地開(しんちびらき、干拓のこと)関係の図面(地割図)や干拓地の水門の設計図、普通の地図など。①の「文書類」と同じような水濡れによるカビ発生や虫喰いによる破損などのものもある。
③「書簡類」(しょかんるい) ④「葉書(ハガキ)類」(はがきるい)
公的なものからプライベートなものまで、いろんな内容を含む手紙や葉書など。
⑤「写真類」(しゃしんるい)
公的なものもあれば、家族写真といったプライベートな内容もあるアルバムなどを中心としたもの。
⑥「書籍類」(しょせきるい)
政治や経済、歴史や文化、福祉などの専門書、和書や洋書、一般の雑誌など。ただ長年、直射日光などを浴びていたものもあり、劣化がはげしいものも多数ある。
⑦「絵画類」(かいがるい)
特に、坂田道太自身が描いた油絵を中心としたもの。なお、宮嶋利治学術財団で保管している絵画類は一部で、残りの絵画類は別の場所で仮保管中である。
⑧「道具類」(どうぐるい)
坂田家で長年にわたって使われてきた漆器、3月のお雛祭りで飾られていたお雛人形など。
⑨ 「視聴覚機材類」(しちょうかくきざいるい)
カセットテープやVHSのビデオテープ、8ミリフィルムなど。内容は公的なものからプライベートなものまで。水濡れによるカビ発生や劣化による破損など、状態が悪いものがある。
次回・第9回目の〝坂田文庫だより〟は、5月頃の掲載を予定しています。次回からは、宮嶋利治学術財団で進めている整理・調査・研究事業で、整理が終了した資料で特筆すべきもの、あるいは未整理であるが注目すべき資料などを少しずつですが、みなさまにご紹介していきたいと思います。なお、ご紹介する資料類の年代はバラバラですが、その点はどうぞご了承下さい。
【写真について】
東京の衆議院議員宿舎にあった坂田道太の書斎も多くの本であふれていた。写真は書斎で読書する道太。昭和63(1988)年頃。
昭和21(1946)年から平成2(1990)年までの44年間、坂田道太は自民党の衆議院議員を17期務めました。道太は衆参両院議員の中でも国立国会図書館の利用率がNo.1といわれるほどの読書家でした。
「八代・坂田家資料」のうち、⑥「書籍類」については、道太が現職の衆議院議員時代のものが大部分を占めています。