学術講演会「元素戦略を科学する」を開催しました

講演会全景

宮嶋利治学術財団では、3/20(金)にやつしろハーモニーホールにおいて、学術講演会を開催いたしました。

中山智弘先生

講師は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)科学技術イノベーション企画推進室参事役の中山智弘先生。
「元素戦略を科学する」をテーマに、我が国の科学技術を取り巻く環境から元素戦略についてわかりやすく紹介していただきました。

 

 

【講演の要旨】

講演中の中山先生様々な課題がある日本、その中で科学技術を進めていかなければいけない理由は、資源が少なく食料自給率が低いということにあります。

近年貯蓄率が低下し、東日本大震災後は貿易収支も赤字に転落。外貨獲得、すなわち国際競争力の強化は日本にとっては喫緊の課題なのです。

実は日本は輸出依存度が低く、これを伸ばす余地がまだまだあります。

世界の中で日本は高い技術力、特に部品・素材料系の技術で世界トップを誇っています。韓国や中国がそれぞれの戦略でこの分野への進出を図る中で、トップを維持し続けることは非常に大切なことです。

そこで必要となってくるのが「元素戦略」。
日本が誇るすべての先端部材に稀少資源「レアアース(レアメタル)」が含まれています。
その多くは中国の戦略により独占的に供給され、国際的な課題になっていますが、代替資源の研究などで日本は非常に強みがあります。

ITと生産技術の融合という「第4次産業革命」が起きていると言われる今、ものづくりへの回帰が国際的な流れとなりつつあります。

日本が国際関係の中でどのような位置を占めるのか、戦略の確立が必要です。